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P-プロテクト【紫外線について】

5月から夏にかけて紫外線量がピークを迎える頃は、日焼け対策を念入りに行う時期。紫外線を浴びると、シミ、シワなどの肌トラブルだけでなく、皮膚ガンの危険もあり、最近は1年中紫外線対策は欠かせません。

 サンスクリーン剤に入っている日焼け防止剤には、「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」があります。日焼けを防止する目的は同じでも、肌への影響には違いがあります。以前、身体に影響がある成分には「表示指定成分」として表示が義務づけられていましたが、「紫外線吸収剤」は「旧表示指定成分」に含まれるものであるのに対し、「紫外線散乱剤」は「旧表示指定成分」に含まれるものではありません。つまり、「紫外線吸収剤」は肌に悪影響を及ぼす可能性の高い成分なのです。

*紫外線吸収剤

 吸収剤が化学反応によって紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変換して、紫外線が肌内部の皮膚細胞に浸透して悪影響を及ぼすのを防ぎます。
 紫外線吸収剤は、何に溶けているかによって吸収力に差が出るため、紫外線吸収剤として同じ成分が入っている製品でも不適切な化粧品に配合されると、効果をきちんと発揮できない場合があります。

*紫外線散乱剤

 主に粉体(パウダー)で、肌の表面で受けた紫外線を物理的に乱反射させて散乱させ、紫外線が肌の内部へ侵入して悪影響を及ぼすのを防ぎます。

 

 

なぜ、紫外線吸収剤は肌に影響がある?

 紫外線吸収剤には旧表示指定成分に含まれるものがあります。「表示指定成分」とは、「ごくまれにアレルギー等の皮膚障害を起こすおそれのある成分」として、厚生大臣が指定し表示が義務づけられていた成分で、102種類(香料を含め103種類)ありました。2001年の薬事法改正で表示義務がなくなりました。

 紫外線吸収剤のなかには、フェノール系化合物、フェノールに類似するベンゼン系化合物があり、これらはタール色素や酸化防止剤などと同様に発ガン性などの毒性があります。そのため紫外線吸収剤は毒性の強さに応じて一品目への添加量が制限されています。それなら安心と思いがちですが、紫外線吸収剤を含む乳液や化粧下地、ファンデーションなどUVケア商品を3つも4つも使用すれば制限量を超え、皮膚細胞を傷つけてしまい、シミやシワになる可能性は大きくなります。

 肌が敏感な人やかぶれやすい人は、紫外線散乱剤が含まれるものがおすすめです。以前は、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤が一緒に配合され、紫外線防止効果を高めているものが多かったのですが、最近は紫外線吸収剤の肌への影響を考え、「紫外線吸収剤不使用」と表示されているものが多くなっています。「吸収剤無配合」「ノンケミカル」という表示のものを選びましょう。

 

SPFやPA値が高いものは、要注意!

 SPFやPA値が高ければ高いほど、吸収剤や散乱剤を多く含み、肌に負担をかけてしまう可能性があります。日本では、今のところ「SPF50+」の商品があるようにSPF値の制限はありません。そのため、SPF値が高いものには、吸収剤と散乱剤の両方、特に吸収剤を多く配合する場合が少なくありません。

 

こまめに塗り直すのが日焼けを防ぐコツ

 サンスクリーン剤は時間がたつと汗や皮脂、顔の筋肉の動きではがれてムラになってきます。ムラができたままだと、そこから紫外線を浴びてしまうので、定期的に塗り直したほうが効果的です。紫外線の強い夏には、サンスクリーン剤など化粧品だけに頼らず、帽子、日傘などしっかりと紫外線対策を行いましょう。

 

【主な紫外線吸収剤】

成分名 吸収波長 状態 特徴
パラメトキシケイ皮酸2エチルヘキシル(オクチル) UVB 液状 最もポピュラーな紫外線吸収剤、溶解性がよく、吸収力も強い。
パラジメチルアミノ安息香酸2エチルヘキシル(オクチル) UVB 液状 紫外線吸収力が強く、よく溶けるので、1990年頃まで、世界中で最も多く使われていたが、発ガン性物質(ニトロサアミン)ができる可能性がアメリカで報告され、最近は使用量が減少。
オキシベンゾン(ベンゾフェノン3) 主にUVB 粉状 UVBからUVAまで広く吸収する性質を持っているが、吸収力はあまり強くない、色素の退色防止目的で配合されることも多い。
サリチル酸2エチルヘキシル(オクチル) UVB 液状 紫外線の吸収力は強くないが、他の紫外線吸収剤と組み合わせて相乗効果を目的として配合されることがある。
4-tert-ブチル-4-メトキシ-ベンゾイルメタン UVA 液状 UVAの吸収剤として強い吸収力を持つが、溶解性が悪い。アメリカではOTCの紫外線吸収剤として認可されていない。

他に、サリチル酸フェニルシノキサート、パラアミノ安息香酸エステル2-(2-ヒドロキシー5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、グアイアズレンなどがあります。

 

【主な紫外線散乱剤】

成分名 状態 特徴
酸化チタン 白色の粉末 付着性に優れるため、白色顔料として化粧品に広く使用されている。
酸化亜鉛 白色の粉末 収斂作用、消炎作用、弱い防腐作用がある。

 

 

UV-A (波長315nm-380nm)
太陽光線の内5.6%通過。皮膚の真皮層に作用し蛋白質を変性させる。細胞の物質交代の進行に関係しており、細胞の機能を活性化させる。また、UV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させて褐色に変化させる。サンタン(suntan)。
UV-B (波長280nm-315nm)
太陽光線の内0.5%通過。表皮層に作用するが、色素細胞がメラニンを生成し防御反応を取る。これがいわゆる日焼けである。また UV-B には発癌性が指摘されるが発癌するのは高齢者、しかも肌の露出した部分のみというケースが多い。サンバーン(sunburn)。
UV-C (波長200nm-280nm)
オゾン層で守られている地表には今のところ到達しない。強い殺菌作用があり、生体に対する破壊性が最も強い

 

 

活性酸素(フリーラジカル)

紫外線は、単に肌にシミやソバカスをつくってしまうだけでなく、皮膚に深いシワを刻み込みます。最悪の場合には皮膚ガンなどの要因と言われています。この紫外線が皮膚に当たると、実はその当たった部分に“活性酸素”が発生して、細胞を酸化してしまうのです。

 細胞が酸化されるとどうなるか・・・、それは細胞が死んでしまったり、本来持っている機能が働かなくなることを意味しています。こうなっては大変とばかりに、酸化の害がそれ以上広がらないように食い止めようと、“メラニン色素”が活躍するのです。

 大切な細胞が紫外線によって発生した“活性酸素”によって次々に酸化されていくのを防ぐために、チロシンという物質が代わりに酸化され、その結果できてしまうのがメラニン色素=シミというわけなのです。

 また、紫外線による“活性酸素”の害はシミやソバカスをつくってしまうだけでなく、皮膚の老化を促進させてしまいます。するとシワが刻み込まれていくわけですね。これは、皮膚の表皮や真皮を支える土台となっている“コラーゲン”というタンパク質や、弾力繊維である“エラスチン”が紫外線によって発生した“活性酸素”によって酸化されて起こるのです。

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